鉄道撮り続け60年 広田尚敬の写真集が連続発売 レールのように終わりなく(産経新聞)

 鉄道を撮り続け、60年。SLや電車のいる風景に、半世紀以上もレンズを向けてきた鉄道写真家、広田尚敬(なおたか)の足跡の集大成となる写真集が連続して発売されている。昭和10年生まれ、75歳となる広田は現役カメラマンとして、今も日本各地を回って鉄道写真を撮り続けている。

 刊行されているのは、広田尚敬鉄道写真60周年記念出版企画「広田尚敬の時代」シリーズの「Fの時代」から、「VSの時代」「Nの時代」と続き、「永遠の蒸気機関車 Cの時代」までの計7冊。

 「覚えてますよ。昭和25年、中3のときに(東京の)田町電車区にノコノコと入っていきました。確か3、4人いたと思います。半袖で9月だったかな。運転台に乗っかって、仲間たちと写真を撮りました。当時は、カギなんかもかかっていなかったんですよ」

 戦後間もなく、人々が大らかで開けっぴろげだった時代に鉄道写真家としてスタートを切った。「野球もやりたかったし、電車の運転手もいいなと思っていた」。旅が好きで、旅行添乗員も視野に入れていたが、やはり写真の道に進み、鉄道と(夫人の仕事関係の)ハーブの写真を撮ってきた。現在も月に1回、さらなる鉄道写真を求めて旅に出る。積み重ねた年月は60年に達し、今年は写真集以外にも展覧会など記念行事も行われる。

 作り方も凝っている。

 たとえば、「Fの時代」は、構図的にはトリミングをせず、ページいっぱいを使い、文字や数字は一切入れなかった。だから迫力あるSLの姿、鉄道と接する人々の生き生きした表情がそのままに目に飛び込んでくる。作品選定でも、写真家がイメージしていた本の内容と、広田ファンでもある編集者の希望とがぶつかり合い、両者の中で理想の写真集に驀進(ばくしん)していったという。

 この企画が終わったら、今度は子供向けの本や企画を充実させていきたいという。いまは写真集の仕事に追われて、「一番、時間を短く感じるようになった。足りない、忙しいと思うのは年齢のせいかもしれません」。節目の年を迎えても、どこまでも続く鉄道レールのように広田の仕事に終わりはない。(生田誠)

【関連記事】
あの頃の国鉄にタイムスリップ 蘇る音鉄CDが大人気
“日の丸トレイン”欧州へGo! 日立、ビッグ3に挑む
交通オタク増殖の余波!? 都営交通モニター大人気
バンダイ、デフォルメ鉄プラ「新幹線500系のぞみ」発売
「Y151」横浜活性化へ6月開催 開港200周年まで続ける予定
「高額療養費制度」は、もっと使いやすくなる?

子ども手当、現物給付も=消費増税は4年後実施−民主の参院選公約案(時事通信)
横須賀の男性殺害、参考人男性が飛び降り自殺か(読売新聞)
デリヘル事務所に強盗 店長けが 東京・五反田(産経新聞)
中国の中間層にも観光ビザ発給へ=「富裕層のみ」から緩和−政府(時事通信)
女性に跳び蹴り 男が財布奪い逃走(産経新聞)

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。